2016/11/28 06:48

雪も積もりまして、ダニの気配は無い今日この頃ですが、

唐突にマダニの話をするのは、塩の話はまとめたのでマダニデータ整理に移行しているためです。

海外の文献は例えば北米ではライム病感染者が非常に多く、マダニの話=病気の話が多いです。

例えば歌手のアヴリル・ラヴィーンも、感染したことで有名です。ホントかどうか知りませんがアウトドアが趣味のようです。

日本では北海道が危険地域で、多くは背中が紅いシュルツェマダニがライム犯人です。ヤマトマダニの場合もあります。

シカ、イノシシなどの大型哺乳類の増減とライム病患者の増減は比例するような文献があります。

フレボウイルスによる重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ボレリアによるライム病、リケッチアによる日本紅斑熱やQ熱、フラビウイルスによるダニ媒介性脳炎、細菌による野兎病などが国内で発生しており、近年、日本各地で死亡例を含む人的被害が増加傾向にある。北海道においてはライム病感染症例がしばしば報告されるが、20168月にダニ媒介性脳炎による死亡例が報告されている。

という状況です。こういう文献を読んでいると体が痒くなってきます。ちなみにボレリアは渡り鳥が拡散しているという報告があります(Miyamoto,et al.1993,2000

山菜採り、登山、釣り、ゴルフ、キャンプ、狩猟といった活動は感染リスクと隣り合わせです。犬猫の散歩ですら危険となりかねないです。犬猫は家に持ち込みますので。

また山菜採りは特に危険です。それは時期(春初夏)と場所(山林)の問題です。勝手な推測ですが、もし日本の学校の夏休みが、6月だとしたら、梅雨がないとしたら、日本におけるダニ被害、感染者はもっと多いはずです。梅雨の時期はあまりアウトドア活動しませんよね。小学生のころ8月の夏休みによく高原の牧場に行ってました。牛にもダニは寄生しますし数百頭の牛が放牧されているような場所です。でもダニにやられた記憶はないです。

犬を春から初夏に山に連れて行くのは極力避けた方がいいです。

これは、ダニの繁殖活動が4月ころから7月に最大のピークがあるためで、そのあとは、ダニは居眠りして夏眠つまり夏季休暇に入る個体も多いです。これは日長や気温が関係します。春先は気温が低めでも雪どけ直後でもダニはかなり動いてます。むしろ暑くて乾燥している方がダニには都合が悪いです。この辺は誤解されませんように。ただしすべての種類ではないですし、大まかな傾向です。

実際、死者数が多いSFTS感染者の75%はこの活動期に該当しております。日本紅斑熱やSFTSなどの西日本を中心とした感染の犯人の1種はフタトゲチマダニという種ですが、孵化してネズミなどに寄生し、脱皮して休眠して、若虫成虫の時に人を刺してウイルスを注入するというイメージだと思います。

この先も毎年マダニによる死亡や重症化は起きていく可能性が高いです。