2016/12/07 10:18

草食動物は、敵を早期に発見するために目、耳、鼻を使います

暗い時、森の中、草原それぞれの環境・・・で使い方も変わるでしょう

一方、餌を見分けたり食べるときには、嗅覚や味覚は重要です

それと同時に記憶も重要な役割を果たします

例えば毒草にひどい目にあえば、それ以降はこの植物は危険という記憶や認識が作用するでしょう。

ところで、鹿にとって良い食べ物の指標は何でしょうか?

量や採食効率、植物がある場所と採餌中の危険度、消化性、栄養価、毒の有無・・・いろいろあると思いますが

よくタンパク質が高い餌は良い餌とされます

タンパク質は窒素に置き換えられてN含有率で評価される場合もあります

もちろん間違いではないですが、良い餌=タンパク質=健全な個体と繁殖みたいな方程式として評価するのは問題です

それは、タンパク質がいくら餌に満たされていても、塩分Naという不可欠なミネラルが無い限りそうはならないからです

では、そのNaの存在場所は、どのように認識されるかといえば、恐らく嗅覚ではなく、記憶によるものと思われます

それは、この写真でも分かります

ある時塩をわずか5mくらい移動しました 黄色い囲みに塩があります

ところが鹿は、みんな元々塩が置いてあった場所に群がりどこへ行ったんだ?塩がないぞ!としつこく探して通うのです。

臭いや塩の量で判断するなら、5mくらいならすぐに見つけてしまいそうですが、あまり臭いもしないでしょうし重要なのは場所つまり

塩ではなく塩場なのです。これは10kmでも50kmでも100km先にある塩場でも同じだと思います。

つまり塩で鹿を誘引するという考え方は本質的ではないのです

ということが先日公開した4本目に書いてあります