2017/01/04 09:04

野生動物の保護で模型が使われる場合があります。

TVでもしばしば紹介されるのは、アホウドリの模型です。デコイと呼ばれてます。

新たな営巣地を作る際に、予め模型を複数置いておき、仲間が既に営巣していると思わせる効果があります。

北海道では天売島に生息するオロロン鳥などでも試みられていると思います。

さらに声を発するような音声装置内蔵型などの工夫もあります。

この場合、これらのデコイは上空から見渡せる場所に置くことになります

一方、鹿にも海外で製造された模型があります。

大きさは、エゾシカサイズでちょうどいいものがあります。

これは、主に猟を目的に作られたもので、群れる習性を利用します。鹿は開けた場所では血縁関係に関係なく群れて安全性を高める習性が

あるので、デコイを牧草地に置いておけば近寄ってくるというものです。

一方、デコイを閉鎖的な森の中に置いてもほとんど意味がなく、森の中で大きな群れを作る理由がない(家族単位でバラバラに行動するので)ためです。真冬の越冬地で積雪状態であれば多少群れることもありますが、仮に群れたところで、その群れを支える餌がなければ、その場所に留まることは殆どないです。牧草地は、群れを支える牧草があるから、群れを維持できるのです。

また、デコイは音を発しないものであれば、視覚で認識するので森の木々の間に置いても存在すら認識されず、開けた牧草地に置いた方が目立つのです。

実際、デコイを大きな牧草地に置くと群れるのですが、あまり林縁から離し過ぎると鹿の視界に入りません。夜間になれば認識されません。時に、近くまで寄りますが警戒することもあります。複数置いた方が効果は高いです。一度デコイの周りに群れが形成されると、もはやデコイは用無しです。

要するに牧草地の中で特に都合のいい場所に早期に群れを形成させたい場合に使う小道具ということです。周辺の鹿の生息数が僅かな場所では使う価値は低いと思います。

一方、私は違う目的で使用します。それは新たな塩場を認識させるために行うものです。