2017/02/09 08:53

本州以南は、放射能汚染、外来種の問題、大型野生動物にしてもクマの問題、サルの問題、イノシシとシカの問題、さらに場所によっては特別天然記念物のカモシカが混在しており、対応を想像するだけでうんざりです。


キョンにしても初期対応がしっかりしていれば防げた問題かもしれませんが、後の祭りです

某企業と自治体(房総半島大多喜町)のご協力で2015.10-2017.01までの1年以上のセンサーカメラによる連続データを先日確認しました

案の定キョンが頻繁に写り、7000枚くらいありますがほとんどが鹿とキョンでした。

捨て犬猫の殺処分に関心を持たれる方は多いと思いますが、外来種駆除も「いのち」という点では同じで、さらにキョンのような外来種の場合、ほかの在来種にも影響を与えかねないという点ではより深刻です。

以下カメラの誤作動で日付は間違いです

2012→2016
2012.01~→2016.06~




キョンの駆除を考える以前に、キョンとはどういう生き物かという基本を押さえなければいけません。

例えば、繁殖、分布、行動、食性などですが
既に千葉県の研究機関etcで立派な報告書が出されています。

おおまかですが大体目を通したうえで、特にエゾシカの食性を研究してきたので、キョンが食べているもの(特に好きなもの)、嫌いなもの(食べないもの)といった部分に注目すると、草本類よりは木本類が好き、農作物よりも天然林の植物に依存というような傾向は分かりました。

その上で報告書にほとんど書かれていないさらに気になることが2つありました
キョンに不可欠なもの
1塩分
2xxx
2についてはここではまだ確信がないので書けません

北海道のエゾシカの内陸部における分布拡大に関する報告書や論文に塩分に関する記述がないのは論外なのですが
では、房総半島のように狭い場所ではどうなのかということです

上記の報告書では分布密度のMAPがあったので見てみるとやはり勝浦、鴨川、いすみ、御宿など海側の密度が非常に高く、
大多喜、君津など内陸に入ると密度が低いのは、個人的には塩分摂取の制約があるためじゃないかと思います

それ故大多喜の内陸でカメラと鉱塩を用いて通年観察しましたが、少なくとも大多喜の南部では海に近いので、キョンの密度も高そうで
塩分の制約はなさそうでした(ニホンジカも)。東北や関東甲信越の別の調査場所の反応とは違いました。
市原側の北部だとニホンジカもキョンも制約を徐々に受けると思われます。
塩分と植生の両方が満たされていれば、キョンはまず九十九里浜沿いに北上できると思います。
実際東金では捕獲例があります。

分布だけでなく泌乳など繁殖を支えるのも塩分なので内陸部は、おそらく塩分の制約が低いオスが先に定着してもメスは何かの塩分供給源がないと繁殖して高密度になるのは難しいのではと思います。ただし、千葉県は畜産も盛んなので、畜産堆肥が供給源になれば、時間はかかれど繁殖していくと思います。

伊豆大島でも増殖してますが、塩分の制約はないでしょう