2017/11/02 05:19

犬に与える角ですが、7、8年前から当法人が店頭や通信販売開始して今では多方面で売買されるようになりました。
それ以前は、角と言えば加工品やアクセサリーの原料でしたので、先端部の需要が高く、髄部分の需要は釣り道具のハンドル部分や根付など
需要が高いとは言えない状況でした。
そこに、両者の棲み分けが出来る犬用という用途が登場したことで、鹿の角の価値は上がったわけです。
またウシ科の角と違い、シカ科の角は毎年生え変わりますので、生産性があります。それが漢方薬としての価値にもなっています。
密猟乱獲されている象牙やサイの角とも違います。
ディアーホーンと称して販売しているところがありますが、ホーンはウシ科の角のことであり、シカ科はアントラーです。
鹿島アントラーズも鹿のマークでアントラーですよね。

で、角は唾液の分泌促進や歯石除去などのデンタルケアにもなるし、角の中にいろいろなアミノ酸や血液成分も封じ込められていますので、喜んで夢中にかじったりします。
アキレスや皮のガムでは喜びますが長持ちしませんし、骨はバリバリ割れてしまう可能性もありますし、その点では徐々に削れていく長持ちの優れものと言えるでしょう。

一方で商品にする際、与える際にいくつか問題もあります。

商品にする際
・古い角ー食いつきが悪い原因、有用成分が分解されている、野外放置は特に。
・加熱殺菌されていないものー表面だけ綺麗にしても、内部が衛生的とは限りません。ましてただカットするだけでは、表面にも寄生虫の卵が付着しているかもしれません。きちんと処理されたものを選びましょう。一方お湯に漬ける方法で加熱殺菌すると有用成分はどんどん流出してしまいます。
・先端部の販売ー角を切った場合に、先端部というのは通常4か所存在します、1番上、中間2か所、1番下。このうち犬に1番向いているのは1番下の長いものです。中間2か所は、余程大きな角以外は短いので向いていません。小型犬でも5-7cmくらいの先端部を犬用に販売するのは問題です。1番上は、長めに残してカットすれば使えますが、10cm以下だとほとんど不向きです。なんでもかんでも犬用にしようとするのはやめましょう。古い角は先端部はほとんど全て不向きです。
・簡単に売れるからといって、無許可販売しているところがありますがダメでしょう。

購入、与える際
・加熱殺菌していないものは止めましょう
・犬のサイズに合わないものは止めましょう。長さと太さ。短いものは犬自身が前脚で支えにくいというデメリットもあります。
・老犬にはあまりおすすめ出来ません。個体差や犬種、歯の状態にもよります。与える場合は、9月の柔らかめの角がいいです。
・子犬 与えるタイミングが早すぎるのは問題です。初めて与える場合飼い主がそばにいる時観察しながら短時間だけにしましょう。勢いよく齧り出す子は力の加減が出来ないので歯へのダメージと誤飲のリスクがあるので、小さい角は注意が必要です。まずやや大きいものや太いものを置いて勢いよく齧らせないしつけが必要です。
・まったく興味を示さない場合、犬の個体差の場合と古すぎる角、不向きな先端部である場合のどちらかでしょう。
・小さくなったら早めに取り替えましょう。呑み込みするリスクもあるのでまだ半分あると考えない方がいいと思います。
・ゆっくり齧る子が1番向いていると思います。それでも、ずっと放置して齧らせるというよりは、1日1時間の食後の歯磨きタイムというような感じが理想かもしれません。
・犬種の向き不向きや個体差の向き不向きもありますので、不向きな場合は止めましょう。