2017/11/24 15:48

エゾシカが大雪で大量死するか否かの判断基準について、先日「テレビ解説」の投稿の中に書きました。

まず最初の目安が初冬の大雪です。

温暖化が進めばおそらく春の雪どけは早くなると思います。
しかし、魚種の分布や漁獲量の変化に見てとれるように、海水温は高い傾向が顕著になっています。
夏は台風の大型化、冬とくに初冬にまだ海水温が高く水蒸気量が多いのに寒気が居座ればドカ雪をもたらします。
実際近年の北海道は、過去最高記録を塗り替えるような大雪が見られています。
さらに爆弾低気圧の発達も大雪をもたらします。

初冬の大雪の影響を1番受けやすいのは、日本海の海水温の上昇と寒気で大雪が特に降りやすい道北エリアだと思います。

先日の投稿で稚内や音威子府の積雪パターンの違いに触れましたが、内陸ほどこの時期は気温が低く降雪量が多くなりやすい傾向にあります。

しかも、風向きによる雪雲の流入方向やわずかな気温の違いが、さらに局所的な大雪を生むことになります。
道北はあまり高い山が海岸エリアに少ないので、内陸まで雪雲が流入しやすいことと、初冬の気温が他地域よりも低いことが初冬の大雪に関係します。

あとは、年末までにどうなるか、何度も起きるか、一度とけるか、どの時点でエゾシカの索餌・採餌効率が特に落ちる70cm以上に達してしまうかによって、エゾシカの大雪による大量死の危険性は大きく変わります。これは、人間側の記録更新とは必ずしも一致するものではありません。

北海道で今世紀最多の雪

この時期としては強い寒気が北日本や北陸に流れ込み、北海道には日本海から活発な雪雲がかかっています。北海道稚内市沼川では、24日10時までの24時間降雪が50センチとなりました。これは、2003年1月30日の47cmを抜いて今世紀最高です。
https://news.goo.ne.jp/article/tenkijp/nation/tenkijp-87761.html

追伸
音威子府の2017.12の積雪は1985 1987 1998年の12月と同レベルですでに12/7 3:00に142cm、全国1位になっています。
過去の傾向から積雪期間(70cm以上の日数)は約5か月150日に達する可能性があります。
2月に入れば子ジカの餓死個体が見られるようになるレベルです。成獣個体にとっても約20年ぶりに厳しい年になる可能性があります。