2018/01/08 01:57

野生動物との軋轢が多い現在の日本ですが、何が欠けているのでしょうか?

軋轢が多い増えた原因によく挙げられるのは、
ハンターの減少
捕獲圧の減少 警戒心の低下
耕作放棄地の増加や里山の過疎化
温暖化
などありますが、
イノシシやシカとサルやクマではそれぞれ種の特性に違いもあるので、それぞれ事情は少なからず違うでしょう。

東北のマタギや北海道のアイヌ、自然と共生してきた地域で何が行われているかといえば、
今に始まった話ではないですが、有害駆除補助金(税金)のバラマキと駆除の繰り返しによる大量捕殺、その先にある無駄死と大量廃棄です

このニュースも結局その一部に過ぎません

秋田のクマ、推定生息数の6割捕殺 「前代未聞」懸念も

https://www.asahi.com/articles/ASKDP5R4PKDPUBUB010.html

どこまで減らせば、共存出来るのかという議論はあると思いますが、行政が有害駆除補助金(税金)のバラマキをすれば、しかも長期間継続するほど支給金額が高いほど、次第に被害を減らす当初の目的からずれて、殺すことお金を稼ぐことが目的にすり替わっていきます。
これは、エゾシカでもイノシシでも同じであり、不正が明るみに出ているニュースをみれば明らかです。
補助金の出所が、国なのか都道府県なのかにもよりますが、保護管理計画と称して科学的管理を掲げても、結局やっていることは科学的ではないと思います。お金をばらまき出したら科学なんていうものは後回しになるのです。しかも駆除の権限は市町村単位に下りていれば、尚更ブレーキやさじ加減がなく暴走します。

こういうことを全国の野生動物で繰り返している限り、おそらくいつになっても共生社会にはならないと思います。

唯一共生社会を作る方法は、既存システムの破壊と完璧な有効活用システムの構築だと私は思います。
被害の現場を何度も見て、調査研究も数えきれないくらいして、有効活用の裾野を広げる努力を全部して感じる唯一の方法
はやはり活用なのです。
研究者の主張する被害がこれだけ起きているから科学的な個体数管理が必要で、予算と人員が必要で・・・というのは、もっともらしいですが、現実的には20年前にスタートしたエゾシカの保護管理計画を見ればそれらの中に机上の空論が沢山あり、理想と実行の間にはいくつものハードルがあることは明らかです。予算も人員も実際には数百億円規模で投じ規制も無制限に近いような緩和で労力も割いているのに現状の課題も多くその将来性に疑問がいくつもあります。
まして現状の活用は、おまけの論理つまり残滓活用であり、逆算的な完璧な有効活用ではありません。有害駆除補助金をばら撒くほど、有効活用のシステム構築を阻害している地域も沢山あります。

マタギやアイヌは、命を無駄にすることなく、自然の恵みに感謝して完璧に活用していたと思います。
その精神や手法を現代のハンターや社会は、きちんと継承をしてこなかったのです。もちろん規模や活用のスタイルは、アレンジし直さないといけません。しかし原点は、活用、感謝、共生なのです。
そこにクマであれば、人を恐れるクマとの間に距離感が生まれ、乱獲すれば自らの首も絞めるということになり、増やさず減らさずの生息数維持が成立します。
まして、活用と換金は表裏一体ですから、そこに税金の無駄な投入はありません。
命を無駄にすることに無駄な税金を投入している現代社会がいかに異様か早く気付くべきです。

仮にクマが可哀そうと言って、活用=悪と考えたとして、捕獲も反対と言って放置をしばらくしても、結局最後の結末は大量捕殺です。きちんと適度に活用していれば、捕獲は年間100頭10年で1000頭、10年後の生息数は1000頭で維持できるものが、活用もせず被害が拡大して捕獲が始まれば10年で2000頭捕獲 生息数は激減して気付いたら300頭みたいなことになってしまうのです。
これは、森林管理も同じで、木を切るのは可哀そうと言って何も利用しなければ、下層は真っ暗で生産性が低い森林になり、動物にとっても棲みにくい餌や多様性に乏しい災害に弱い森林になってしまいます。最後は斜面が崩壊して木が1本もなくなってしまうこともあるでしょう。
人も振り回されクマも振り回され、命も消えお金も消えということを繰り返すくらいなら、完璧な活用システムをいかに早期に作り上げるかを真剣に考えた方が余程共生の近道でしょうし、安上がり、さらには経済効果のおまけ付きになると思います。
完璧なというのは、商売ありきの活用ではなく、単なるジビエジビエと騒ぐものでもないということです。
廃棄する部位もほとんどなく、活用に付随して、個体数管理も被害対策も自ずと連動していくシステム、それこそが完璧なシステムです。