2018/04/21 08:40

昨年、経卵感染という記事を以前書きましたが

https://npohokkaido.thebase.in/blog/2017/07/03/110859

下記鹿児島県の注目に値する論文で決定的ですね
マダニのSFTSウイルス保有状況等に関する調査研究(第Ⅰ報)
https://www.pref.kagoshima.jp/ad08/kurashi-kankyo/kankyo/kankyohoken/shoho/documents/50993_20160316104324-1.pdf#search=%27%E3%83%9E%E3%83%80%E3%83%8B+SFTS%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9+%E4%BF%9D%E6%9C%89%E7%8E%87%27

注目すべき箇所は、以下抜粋
奄美大島内の8か所で採集を行い,そのうちの3か所で 2属2種,1121匹のマダニを採集した(表5)。採集したマ ダニ種は,タカサゴチマダニとタカサゴキララマダニで, 成長ステージは主に幼虫であった。 また,幼虫が採集された2か所からSFTSウイルス遺伝 子が検出され,陽性率はそれぞれ13.2%と6.8%であっ た。この陽性率は,県本土内の陽性率と比較すると高く なった。SFTSウイルスは,マダニ間で垂直感染すると 言われている。そのため,今回採集された幼虫もSFTS ウイルスを保有した同じ雌から産まれたと考えられ,そ のため陽性率も高くなった可能性がある。

これが意味することは、死者が多いSFTSウイルス感染は、幼虫に刺されても起きるということです。
そして、母ダニが、産卵を通じてSFTSウイルスをばら撒いているということです。
経卵感染しなければ、宿主から吸血時にしかウイルスを獲得しませんが、生まれた時点で保有しているということは、危険度は計り知れないと思います。
増加速度、拡散速度もさることながら、マダニの幼虫というのは1㎜にも満たないレベルです。
白いタオルの上で、よく意識して観察出来るレベルです。付着されても何も感じないレベル。家の中に持ち帰れば、見つけるのは絶対不可能。刺されても長時間さされてかゆみが出てきて気付くレベルです。現場では、ガムテープや粘着テープで確認除去するしかないです。肌に咬みつかれても道具無しで簡単に手で取れますので、長時間の咬みつきを回避することが重要です=つまり全身ダニチェック。経験上幼虫は、腰回り周辺が多い気がします。足の方から上がってきて腰回りから侵入するパターン。
屋外で体表面への侵入も服に1mmの隙間があれば出来てしまうレベルです。その時身に着けていた服は全部洗濯行き扱いです。

刺し傷が見られない、マダニにやられたという認識がない方が死んでいる事実も、あまりにも小さい幼虫によることだと思います。

幼虫は孵化後は1か所に数百かたまって存在してますので、そんな場所に足を踏み入れることは、それがSFTSウイルス保有の保育園だとしたら、地雷と同じか、アリ地獄ならぬダニ地獄の入り口です。

けもの道には、このダニ地雷が特に多いので、くれぐれもけもの道が歩きやすいなどといって、山菜採り中に歩かないように。

こういう状況になります
https://www.yamareco.com/modules/diary/73693-detail-72602

広島県のHPに幼虫(1回脱皮した若虫 違いは脚が6本か8本の違い)に刺された画像が掲載されてます。
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/hcdc/sfts-yobou.html

自己防衛のためにも強力なマダニ専用品の開発テスト急ぎます。