2018/05/14 20:24

最初に道南でロシアに多いマダニの脳炎ウイルスに感染した事例がありましたが、当時はロシア船やその船にいた犬に付着してたマダニ由来みたいな推測もどこかで読んだ記憶があります。それ以降は、事例報告がなく、一部地域の対岸の火事のように思えていました。

しかし実際はそのような偶発的な可能性よりも、渡り鳥が冬前に南下してくる度に、道内の中継地など広範囲に持ち込まれる可能性の方がはるかに高いかなと思います。
そうでなければ、札幌近郊でこのような調査結果になると思えません。インフルエンザも渡り鳥ですからね。
内陸部を通過する渡り鳥のマガンやコハクチョウ、クッチャロ湖 宮島沼 ウトナイ湖周辺のマダニ保有のウイルスも調べてみると何か発見があるかもしれません。

逆に西日本に多いSFTSウイルスマダニも、北上するだけなら容易だと思います。すでにSFTSウイルスも北海道のマダニから検出されているので、最初から北海道にいたウイルスでないのであれば、渡り鳥経由の可能性があります。
また、SFTSウイルスにおいて中国、韓国、日本の各型の重複が各国で見られることから、運び屋として渡り鳥関与が疑われます。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tits/21/3/21_3_67/_pdf
https://www3.nhk.or.jp/news/special/kikenseibutsu/static/20170830.html
https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2342-related-articles/related-articles-433/6312-dj4334.html

この脳炎ウイルスもこれだけ定着しているとなると、母ダニからの経卵で子ダニへ伝播していくタイプかなと思います。もし違うなら、途中で宿主から吸血時にウイルスをもらうことになります。
このニュース記事だけでは分かりませんが、幼虫からも多数ウイルスが検出されていれば恐らくそういうことになります。
ダニの種類では、脳炎ウイルスを分離した別の論文でシュルツェマダニを利用していたので、少なくとも背中の赤いシュルツェは危険な1種のはずです。
その通りのようです。
http://www.yomiuri.co.jp/science/20180516-OYT1T50024.html

札幌近郊マダニ高病原性ウイルス

ダニ媒介脳炎は、特定のウイルスをもったマダニにかまれることで発症する感染症で、国内ではこれまでにいずれも北海道で4人の患者が確認され、このうち、おととしと去年、40代と70代の男性が相次いで死亡しています。
北海道大学の研究グループは、ウイルスのタイプや道内での広がりを調査するため、去年5月から8月にかけて札幌市近郊の山林に生息するおよそ1200匹のマダニを採取して分析しました。
その結果、採取したマダニの一部から、ダニ媒介脳炎を引き起こすウイルスのうち最も病原性の高く毒性も強い「極東型」と呼ばれるタイプが検出されたことが新たにわかりました。
極東型は、海外ではロシアを中心に流行し、発症した患者の海外での致死率はおよそ30%に達するとされています。
http://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20180514/4548381.html