2020/06/24 03:21

先日、NHKで「大調査 尾瀬 知られざる地下世界」という番組を放映していました。

尾瀬は行ったことがないのですが、北海道やサハリンの湿原調査には行ったことがあります。
尾瀬でも鹿が増えているはずですが、前々から内陸部で増えるということは、塩分ナトリウム供給源が尾瀬に
あるのだろうと思いつつ、鹿は登場しないのに鹿目線で番組を見ていました。
ちなみに近接する日光や戦場ヶ原はそれ以前から鹿の生息密度が高いエリアで火山や温泉が存在します。
ここで長年調査研究されている野原先生曰く(http://www.nies.go.jp/event/sympo/2018/pdf/A02_2018_slide.pdf#search='%E6%B9%BF%E5%8E%9F+%E5%B0%BE%E7%80%AC+%E6%B0%B4%E8%B3%AA')、1800もの池塘が尾瀬に点在し、それぞれに個性があると興味深いことを述べていました。個々の池塘は住民基本台帳のように位置ごとにナンバリングされ、生物や植物、水質や水の動きも違うんだとか。
腐らず堆積した泥炭層は5mで5000年以上かかっているといいます。

番組では地下水脈のトンネル主体の紹介でしたので、それよりも個々の池塘の水質の違いが知りたく、検索で調べてみると
ありました。
土と水 第46号 2005年 9月

1章 福島県の湧水その23「尾瀬ケ原に竜宮を訪ねる」

谷藤 允彦・阿部 恵美

高橋 友啓・鈴木麻理子

この水質データを見るとpHは低くなく、中性や弱アルカリ性 弱酸性で、カルシウムやナトリウムをちゃんと含んでいる湧水や池塘水
のようです。

とするなら、ここで鹿が水を飲み植物を食べて、ナトリウムで胃の中のpHや微生物活動を保持したり、カルシウムを摂取して子育てや角を成長させることは可能と推察されます。

しかし、湿原はもっと酸性度が高いはずだけど??と思い、また検索すると
尾瀬高校が調査しているんですね

例えば、塩基性の水は地質と関係あり、湿原特有の酸性水も混在しているようです
特に内陸部においては、鹿の夏期の分布や繁殖において、火山、温泉、地質とのかかわりは、かなり重要と思います。
気象 地質 地形 植生 火山温泉 これらをすべて見ないと野生動物の本質は理解出来ません。

クマやシカの糞と大腸菌!? みたいなユニークなものも