2022/02/22 03:03

今週は、爆弾低気圧です



12月中旬以降日本海側地域は繰り返し大雪ドカ雪に見舞われ、1日あたりの積雪深の記録更新などが報じられています

本州日本海側では

日本海寒帯気団収束帯

JPCZという朝鮮半島から日本海を経て、日本海側の山地に1日で1mを超えるような大雪をもたらす仕組みが解明されたようです

爆弾低気圧は、低気圧がオホーツク千島沖で急速に発達して台風並みの暴風をもたらす等圧線が沢山並び密になっている状態です
この気圧配置では、太平洋側と道東地域で大雪になり、知床半島も大雪になります
今年の道東地域は1月にドカ雪があり、今回爆弾低気圧でドカ雪、でもこれくらいは例年並みか少ないくらいです。
現時点では、道東地域で鹿が大量死するレベルではないと思います。

むしろ札幌圏を含む道央圏と道北日本海側がひどく、12月中旬以降繰り返し大雪に見舞われている状態です
日本海側の大雪は、爆弾低気圧通過後の寒気による大雪と爆弾低気圧に関わらず寒気の南下や強さに概ね比例します
また、日本海の水温の高さや水蒸気量の増加は雪雲を発達させやすいと思います
雪雲の強さもさることながら、風向きが重要で等圧線が赤い線の向き縦じまの場合は、小樽や後志に雪雲が流入
北西方向に傾くと石狩札幌千歳苫小牧の低地を太平洋側まで通り抜け飛行機が欠航になるパターン青い矢印
さらに傾くと石狩から岩見沢や美唄夕張山地に流れ込むパターンオレンジ矢印
となります
時間帯によってどんどん変化しますが、局所的なドカ雪が長時間続くと交通マヒが起きます

千歳周辺は、観測史上1位の積雪深


3月に入り気温が上昇し雪どけがスムーズだと鹿に対する影響は緩和されます


すでに2か月前からこのような状態なので、そろそろエゾシカの幼獣は餓死し始めます
樹皮食いも散見されていると思います
このあと雪どけが遅れた場合は、オスの成獣が淘汰、最後にメスやオスの若い個体も淘汰されます
ここ数年道央圏では、雪が少ない状態でエゾシカの数が増加していた状態なので、ある程度の割合が自然淘汰されることになると思います
本当にひどい状態になると80-90%の鹿が1シーズンで消えてしまうことになります
1度そのレベルで鹿が淘汰された場合は、禁猟にでもしない限り生息数はほとんど回復しません。

今年全道規模でそのようなことが起きることはないですが、局所的な地域個体群淘汰は常に起こり得るものです。
明治時代は大雪と乱獲でエゾシカは絶滅しかけた動物であり大雪が降ると淘汰されやすくなるばかりでなく、動きも鈍り餌を求めて山奥から可猟区へ集団で出てくれば撃たれやすくなります
ただ、そのような痩せた個体を撃ってもハンターにとって得るものはほとんどありません
肉もまずいし、量も得られません
ところが明治時代は、調子にのって捕獲してしまったことが推察されます (明治12年の大雪の時に
生息数は減少しているにもかかわらず捕獲数が増えている)
また千歳空港近くに鹿肉の缶詰工場を作ったのですが、わずか2,3年で閉鎖しました
近年は、鹿をいかに減らすかとか増えないようにするかという議論が多いですが、鹿の資源管理や個体数管理で最も重要なことは大雪による淘汰が生じた時の評価と対処法になります
その時の、大雪の特徴は推察の域を出ませんが、今年のように寒気が強い年、年末年始から爆弾低気圧、爆弾低気圧の発達と寒気による大雪ドカ雪の繰り返し、爆弾低気圧がなかなか動かず長時間ドカ雪(例えば数日間大雪が続く状態)だったことは間違いないでしょう。
千歳空港周辺には、度々雪雲が入り込み最終的には無数の鹿が太平洋側でも死んだようです
この大雪と乱獲によりエゾオオカミは餌を失い家畜を襲い、害獣として駆除され絶滅したわけです
そして、天敵が消えたエゾシカは害獣とされ、再び乱獲されるようになりました。
オオカミ不在の中で、この大雪の産物に目を輝かせる動物がいます。
冬眠明けの道央圏のヒグマには最大限注意した方がいいでしょう。








2022.4.24に、冬季間積雪2m以上あった場所に、生存している多分メスジカ3頭発見(標高高い場所では5mありました)
1km以上離れていて、裸眼でスマホ撮影につき、あくまで推測です
おそらく昨年生まれの子ジカは同伴していないかと・・・(同推測)昨年秋は5,6頭いたので餓死した可能性も(同推測)
成獣メスは今冬の豪雪に耐えて越冬に成功した可能性
ただし、どこで越冬していたかは不明。雪の少ない場所に移動して越冬していた可能性もあります。
3月に大雪がなく、順調に雪どけしたことは生存に有利になったはず。

4.29オスジカ🦌発見
単独です